卒業生の声

吉富 博樹

中医学科卒業 吉富 博樹

薬剤師(吉富薬局)

  • 国際中医師(国際中医専門員)

熊本県水俣市で吉富薬局を営んでおります。
薬局製剤を中心に、300種類以上の生薬と日本で流通するエキス剤に囲まれて日々漢方専門相談を完全予約制で行っております。
私は嘗て、日本漢方に挫折して、師との出会いから中医学を学びました。師を事故で失い絶望から途方に暮れました。その頃、上海中医薬大学日本校とのご縁をいただき、基礎から再度学び直しました。兎角、自学では「しなくてよい」などと勝手に決めてしまいがちです。薬剤師になり、学生時代と違う所は、「分からなくていい」では済まない世界に生きています。ただ暗記するだけでは、結局分からずじまいになってしまいます。現在、弁証論治という手法を身につけることが出来、格段中医の実力がつきました。我々、薬局漢方において「診断学」はとても重要です。「処方学」だけでは正確な処方決定は出来ません。もちろん、「基礎理論」なしには語れません。本校の付属病院の中医師の先生達からも親切にしていただき、コロナ禍までは毎年数回診療実習を繰り返して来ました。後漢から明時代までの古典を翻訳し、同学の友人達と福岡を拠点として勉強会を毎月開催しております。最近になって日本漢方の素晴らしさがやっと分かって来ました。30年学んでやっと分かった事があります。分かったつもりで、また分からなくなったりと。一生基礎の繰り返しだと思います。これを開いた同志にエールを送ります。素晴らしい世界へようこそ。